canosa story Vol. 38 世界平和にBABY LOVEシーサーを

シーサー。沖縄を代表する魔除けです。魔除けなので悪魔や厄を威嚇して追い払うものですが、初めてこの漆喰のシーサーを見た人は例外なく言います。「かわゆい」と。

シーサーを作る工房は多いですが、こんなにも個性的で可愛いシーサーには、なかなか出会えないのではないでしょうか。

残念ながら、このシーサーに人を元気にする力はありません。代わりに、へなへなと脱力させるのです。このシーサーが世界のあちこちで見られる世になれば、人は怒りを鎮め、戦争が減るのではないかと思わずにいられません。


そんな優しく楽しく癒しの漆喰人形や張り子人形を作る工房が那覇にあります。以前は糸満のイトマールにあった「ニャン山」です。イトマールから那覇へと拠点を移しても、ニャン山の上原さんや赤嶺さんが生み出す人形たちの「脱力マジック」は健在です。

漆喰や張り子にひとつひとつ筆を走らせて描かれる表情は、どれも微妙に異なり、二つとして同じものはありません。カチッとした伝統工芸の枠にとらわれず、作り手の遊び心と沖縄の穏やかな風をそのまま形にしたような姿。店頭でふと目が合うと、思わずふっと口元がゆるんでしまう。そんな不思議な魅力にあふれています。


忙しない日々の中で、私たちはつい肩に力を入れ、正確さを求め、張り詰めた糸のように生きてしまいがちです。だからこそ、BABY LOVEシーサーのように「まあ、肩の力も抜きなよ、らぶらぶ」と無言で語りかけてくる存在が、暮らしのどこかに必要なのかもしれません。

日常の中に、小さくて最高に愛おしい脱力を。
ニャン山の手から生まれる愛くるしい相棒たちは、今日も誰かの心をそっと解きほぐしています。