百貨店などでは数十万円する高級素材の山葡萄のカゴバッグ。長く使い続けることで、よりしなやかに色艶が増し、飴色に変化していくのが最大の魅力です。この度canosaでは信州北アルプス山麓の信頼できる職人さんにお願いして高品質で使いやすいサイズを数種類制作して頂きました。山葡萄の蔓の一番上にあるガサガサしたオニ皮のすぐ下にある皮のみを使用して作られたかごバッグ。内布にはポケットがあり、中身を隠せる目隠し布も縫い付けられています。
こちらは乱れ編みで職人さんの確かな技術と天然素材の美しさが映える編み方。所々に節やうねりなどがあり、樹皮や天然素材のぬくもりが感じられる仕上がりです。
今回、直接職人さんに製作をお願いしているのでとてもお求めやすいお値段でご提供することが可能となりました。
使うほどに美しく育つ山葡萄かごバッグは150年使えるとも言われます。この機会にぜひ憧れの国産山葡萄のカゴバッグを手に入れて自分好みの艶々な色に育てて下さい。
製作地 長野県北安曇郡
サイズ:約W30cm x H22cm x D11cm
【蔓(つる)について】
このカゴバッグの蔓は長野県の北アルプス山麓で収穫したものです。数メートルもある木々にからまり、すくすくと育っていた山葡萄は近年の森林整備のために樵(きこり)によって障害木として切られてしまいます。その切られてしまう山葡萄を自ら選別した上で伐採して製作しています。山葡萄が生息しているのは 人が立ち入らない半日陰で鬱蒼とした原生林です。近年では山葡萄自体が少なくなっている上に、熊の生息圏と重なるために熊スプレーと鈴と音楽を鳴らしながら藪を掻き分けて山に入り収穫するために、とても貴重な材料なのです。
【山葡萄の蔓の収穫について】
かごバッグを作るための山葡萄の蔓(つる)は、年1回、梅雨の短い期間にしか収穫しません。その理由は、以下のような自然環境や素材の特性に関係しているのです。
1. 樹皮が剥がれやすい時期であるため
山葡萄の蔓は、梅雨の時期に樹液の流れが活発になり、水分を多く含みます。このため、皮が柔らかくなり、剥がしやすくなるのです。収穫後、蔓の皮を剥がして乾燥させる工程が必要ですが、この時期以外では皮が固くなって剥がしにくくなるため、加工が困難になります。
2. 蔓の柔軟性が高く、加工しやすい
梅雨の時期は湿度が高く、山葡萄の蔓自体も水分を多く含んでいます。このため、しなやかで折れにくく、編みやすい状態になっています。乾燥しすぎた蔓は折れやすく、曲げると割れてしまうため、職人の手作業に適しません。
3. 品質の良い素材を確保するため
山葡萄の蔓を用いたかごバッグは、耐久性が高く、長く愛用できるのが魅力です。梅雨の時期に収穫された蔓は、油分が適度に含まれ、艶やかで美しい仕上がりになります。
4. 自然環境への配慮
山葡萄は成長が遅く、乱獲すると資源が枯渇する恐れがあります。そのため、限られた短い期間に収穫し、必要以上に採らないことが、持続可能な利用につながっています。
【お手入れについて】
canosaの山葡萄は蔓の一番上にあるオニ皮(バサバサした皮)を剥いた時に最初に出てくる「一番皮」を使用しています。そのため使い込んでいくうちに素晴らしい光沢が出てきます。作りたての籠は、まだまだ粗い部分が多いので、たわしでこすったり、毛羽を取ったり、日々なでてあげることによって、素晴らしい光沢としなやかさを備え持つようになります。ただ、使っていくうちに、次第に粗い部分はなくなり、全く気にならなくなりますので、あまり神経質になる必要はありません。
※油脂を使ってのお手入れはお勧めしません。
【留意点】
山葡萄は自然素材であり、曲がり、ささくれ、穴、節があります。そのため初めは引っ掛かりや手に当たる部分もありますが、素材を無駄にしたくないという思いがあり、あえて使用しています。ご理解いただき、長期に渡って育てていっていただけると嬉しいです。
【修理について】
お修理は有償で承っております。但し状態によってはお修理が出来ない場合もございますのでご理解ください。
お修理をご希望の場合は事前にご連絡の上、canosaまでお持ちになるか、ご送付くださいませ。