新庄東山焼は約200年前の天保12年開窯以来、日常の生活の中で使用できる陶器を制作するという家憲を守り続け、敷地内の豊富な陶土と、出羽の雪のかげりの色と言われる「なまこ釉」をはじめ種々の家伝の釉薬を用い製作されています。
東山は山形県新庄市東部の丘陵地帯の通称で、集落の地質は厚い粘土層で覆われています。東山焼の開祖・涌井弥兵衛は越後出身の陶工で、修行で各地を遍歴するうちに東山の陶土に惚れ込み、天保十二年に新庄戸沢藩御用窯として開窯しました。原料は現在も敷地内から採取されており、よく焼き締まる特性があるため、丈夫で割れにくく、使うほどに風合いが増す、まさに「民藝品」の代表格の陶器です。
現在は親子夫婦の4人で日々作陶されています。canosaが伺うのは毎回夏真っ盛りの日中なのですが、今回の仕入れの日はちょうど「新庄まつり」の初日で、街は大変な賑わいを見せていました。新庄まつりは260年以上の歴史を誇り、2016年には「新庄まつりの山車(やたい)行事」としてユネスコ無形文化遺産にも登録された東北を代表するお祭りです。まさに、新庄東山焼とともに歴史を重ねてきた大切な文化なのです。
そんな佳き日に仕入れさせていただいたこちらは、どこか愛らしいフォルムが印象的な陶器の「水差し(ピッチャー)」です。
砂糖でコーティングしたようなすべすべとした滑らかな手触りと、裾に向かってのぞく素地のざらりとした土の風合いの対比が実に表情豊か。新庄は最上地方の内陸で雪深い地域ですが、その雪を思わせるような柔らかい白釉が美しく冴え渡り、食卓やティータイムに静かな佇まいと温もりを添えてくれます。
お食事の際のお水や麦茶を入れる水差しとしてはもちろん、冷たいアイスコーヒーや紅茶を淹れてテーブルに置くだけで絵になります。急須やティーポットの代わりとしても、また、お花や季節の枝ものを生ける花器としてお使いいただくのも大変おすすめです。
暮らしの中で息長く愛用したい、新庄東山焼の魅力を存分に堪能できる一点ものの器です。
※なお、こちらは直火には掛けられません。
サイズ
口径:約7cm
底径:約7cm
高さ:約14.5cm
重さ:約548g
※一つ一つ手づくりのため、サイズや重さ、形状、紋様などには個体差があります。ご了承ください。
※直火・IH不可