手漉きの月桃紙を使用して沖縄でオリジナル張り子を制作している作家さん。月桃紙とは、沖縄の植物である月桃の茎を原料として作られた和紙のことで、それを丁寧に貼り合わせ、胡粉(ごふん)と呼ばれる貝がらを焼いて作った白色の顔料と、膠(にかわ)と言う接合材を使用して張り子を作っています。
こちらは通常のシーサーではなく招福シーサーのセット。向かって左側のメスが「招」、右側のオスが「福」の玉を抱いており、黒金という落ち着いた色で仕上げています。全体は「千歳緑」という色を使用して作られたもので、季節の移り変わりの中でも変わらない松の葉の色として「永久不変」や「不老長寿」を意味する縁起のいい色です。コロンとしたフォルムは卵のようですが、月桃の花をイメージしたもの。手間暇かけてひとつひとつ丁寧にこだわり抜いて作られています。
サイズ
直径:約4.5cm
高さ:約6cm
※一つ一つ手づくりのため、サイズや重さ、形状、紋様、色、質感などには個体差があります。予めご了承ください。
【張り子の制作工程】
①月桃紙を1枚ずつ貼り重ね、計6枚貼り合わせます。月桃紙が十分乾いたら中から木型を取り出します。
②切り口を接合材で貼り合わせます。補強のために月桃紙を貼り付け、さらに乾燥させます。
③張り子の底に穴を開け、重しとなる胡粉液(胡粉と膠を混ぜたもの)を注入します。
④十分乾いたところで、胡粉液を塗ります。乾燥させて計3回この工程を繰り返します。
⑤最終的に乾いたら絵付けを行います。